うさぎの草むしり堂
主にオンラインゲーム(ラグナロクオンライン等)と日常についてつづられています。
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1?6 命の重み(2)
 目の前で起こった事故はボクから母親を奪い去った。
 血の海に沈む母親の無残な姿が今でもボクの瞼にはっきりと映っている。
 誰かが目の前で死ぬことがこれほど恐いものだと思わなかった。
 だからこそ、ゲームだろうがなんだろうが死ぬということに対して過剰に反応してしまう。

 街に戻って合流をしたボクとユーリはいつものベンチに座っていた。
 現実世界で震えているボクがいることを知らないユーリは黙ったまま座っていた。
 時間だけがただ流れていき、気がつけば三時間ほど進んでいた。

 画面を見るとそこにはユーリが何も言わずに座っていた。

【まだいたの?】

 少し落ち着いたボクは彼女に声をかける。

【ずっと黙ったままならどこか行けばよかったのに】
【おかえりなさい】

 ボクの言葉を遮るように彼女は答えた。

【ずっと静かだったのでどうしたのかと思いました】
【待ってたの?ここでずっと?】
【他にすることもないですし、それになんだか様子が気になったのでずっといました】

 三時間という時間をただボクを待っていたと言う彼女が信じられなかった。
 どうしてそんなことはできるのか不思議でならなかった。

【時々、お手洗いにも行きましたけど、それ以外はずっと待っていました】

 そうまでして待つ必要なんてどこにもないのに、とボクは思った。

【それと謝りたくて】
【謝る?】
【私の不注意でやられてしまったことであなたに迷惑をかけてしまったことです】

 彼女はそのことでボクが気分を害したのだと思っているらしい。
 あの時は確かに八つ当たり的なものがあったが今は違っていた。

 死ぬということの恐怖から抜け出せない自分の弱さを彼女に知られたくないからつい怒りを表に出してしまった。

【やっぱりアコライトでは限界がありますね】
【それは・・・・・・】

 彼女なりにそのことを気にしていたのだろう。
 そしてボクは彼女の気持ちをきちんと理解していなかったことで余計に追い詰めているように感じた。

【迷惑ですよね・・・・・・。私のようなのがいたら】
【そんなことはない】

 ボクはやるせない気持ちになった。

【そ、その・・・・・・・】
【なんていうか・・・・・・】
【ボクも悪かったから・・・・・・】

 きちんと言葉にできないボクは慌てた。

【約束しているのならそれを守るべきだよ】
【シン?】
【そのために足手まといなんて思って欲しくない】

 彼女の力が不足しているのならばそれをボクが補えばいい。
 そしてやられないように細心の注意を払っていけばいいだけなのだと。

 
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