うさぎの草むしり堂
主にオンラインゲーム(ラグナロクオンライン等)と日常についてつづられています。
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ブログ限定小説:Snow Sky
第二幕 降り続く夢の雪 (2)


 みかど様が会社に行くと初めは不安になってベットから出ることが出来なかった。
 今は桜さんがいてくれるのでベットから部屋の中を歩き回るぐらいは出来ていた。

「失礼します」

 おやつの時間になると桜さんが紅茶とクッキーを持ってきてくれた。
 一人でいるより桜さんと紅茶を飲みながらお話するのが最近になって好きになった。

「今日はいい天気ですね」

 窓の外からは青空が見えていた。
 このところずっと雪が降っていたから空が青くなる事はう久し振りだった。

「あ、あの――――」
「はい?」

 クッキーをいくつか食べてからボクは桜さんに声をかけた。

「みかど様は今日も遅いのですか?」

 みかど様がいない時は「様」を付けている。
 呼び捨てなんてどうしても慣れないからせめていない時ぐらいは付けて話した方がいいと桜さんと一緒に決めた。

「そうですね。本日のご予定もたくさん入っていらっしゃりますからね」
「そう――――ですか」

 このところ、お仕事が忙しいのかゆっくりと本を読んでもらえる時間がなかった。
 ボクが起きた頃には会社に行っていて、寝ている間に帰ってくるので会う事も少なくなっていた。
 いさせてもらっているのだから、わがままを言う事はできないけれど寂しい気持ちになる。

「お寂しいですか?」

 ボクは頷く。
 でも、寂しいと言えばみかど様に迷惑がかかってしまう。
 そんなボクを桜さんは自分のお仕事があるのに一緒にいてくれる。
 だから、みかど様のほかに桜さんだけには甘えていた。

「それでしたら私から帝様にお伝えしましょうか?」
「い、いいです――――」
「でも、お寂しいのでしょう?」

 寂しい――――。
 桜さんにはウソがつけない。

「桜さんが――――」
「はい?」
「桜さんがいてくれますから少しは我慢できます」

 それは本当だった。
 いつも優しくボクのことを気にしてくれている桜さんの事は好きだった。
 本当は桜さんにも呼び捨てで呼んでほしいのにそれだけはダメだと言い張られて結局ボクが負けてしまった。

「私とこうしてお茶をしていただけるのは嬉しい事ですが、このところの月姫様を見ていますとどこかご無理をなさっているように思えるのです」
「だ、だいじょうぶ――――」

 はっきりと違うとも言えない。
 

「ご無理をなさらなくてもかまいませんわ。私から帝様にお伝えして少しだけお時間をいただきましょう」
「で、でも――――」
「私にお任せくださいませ。こう見えましても帝様にはけっこう言う方ですから」

 どこか嬉しそうに桜さんが言うのを見てボクは嬉しくなった。
 紅茶を飲み終わると、いつものようにボクの髪をくしで梳いてくれた。
 色んな髪型にしてくれるのも嬉しく、今日はどんな髪型にしようかと二人で話もするようになった。

「それにしても」

 何度かくしを入れてから桜さんが不思議そうに声をかけてきた。

「こんなにサラサラしてて綺麗な黒髪は見たことないですわ」
「そうなのですか?」
「最近は髪を染めたりしている方が多いですから」

 そう言われれば、桜さんの髪もどこか赤い感じがした。

「私の髪は元々だそうで、今更黒に染めようとは思いませんわ」

 そう言いながらボクの髪に水色のリボンをつけてくれた。

「あ、ありがとうございます」
「どういたしまして。月姫様がよければいつでもこうして髪をといて差し上げますわ」
「は、はい」

 ボクはまた嬉しくなる。
 そして、桜さんはボクにこう付け加えてきた。

「今夜は寝たふりをして帝様を脅かせてみましょうか」

 すごく楽しそうな事だと思ってボクは頷いた。
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